バンクーバーで、アートオブホスティング(1)

ソーシャルイノベーションのヒントを求めて


2018年の11月、3泊4日で Bowen島(バンクーバー)へ行ってきた。

アート・オブ・ホスティング(以下、AoH)のトレーニングに参加するためだ。

AoHを一言で説明するのは、難しい。

そのエッセンスは、多様性、参加・分散型のリーダーシップ、本質的な対話、自然の成り立ちとそのプロセスの応用、狩猟採取の時代から現代まで人間が知恵を寄せ合い生き延びることを可能にした評議の形、差し迫った課題といったもの。

こうしたエッセンスが渾然一体となった対話の場を作り、新しい何かが生まれるプロセスをつくり、支えること。

それを自分の存在を通して学ぶ道場のようなものが、AoHのトレーニング。

もちろん、その学びはそれぞれの現場で活用されてこそ意味がある。

トレーニングでは、具体的な対話の手法、組織や社会の振る舞いを理解するための概念、対話のプロジェクトを実施していくための計画やそのマネジメントの仕方などなど、具体的な知識や情報が得られる。

それと同時に、学んだことを実際に試してみることもできる。

その過程で、深い自己発見があり、それもまた現場に活かす糧となる。

正解の見えない複雑な課題を前に、ソーシャル・イノベーションやシステミック・チェンジ(コミュニティや組織、社会、またその機構・制度の性質や仕組みの変化といった意味)を、当事者たちで生み出すのに役立つ様々なもの。そしてそれを、多層的かつ多面的に学べる場。

これまで10年近くトレーニングと現場での活用を繰り返して見えてきた、わたしにとってのAoHは、ざっくりとこんな感じ。

このArt of Hosting、ヨーロッパはもとより、北米、南米、アジアまで世界各地で行われている。

今回どうしてもバンクーバーに行きたかったのは、それがChris Corrigan(クリス・コリガン)を中心に提供されているものだったから。

クリス・コリガンって誰やねん?

ごもっともです。

クリス・コリガンは、第一線で活躍し続けるとても経験豊富なホスト。

いえいえ…歌舞伎町界隈に生息する方ではありません。

ここで言うホストとは、言ってみれば、心を配って対話、学び、変容の場をつくり、全身全霊で支える存在。

時にはファシリテーション的なことや、講師的なことも行います。ですが、場への介入は必要最低限にとどめ、参加者の自発性を信頼し、場の可能性を最大限に引き出すべく心を砕く存在。

その在り方は、今回のトレーニングでクリスがよく口にしていた一言に集約されるかもしれません。

“Be totally present, and absolutely invisible.”

(全身全霊で場に気を配り、その気配を完全に消すこと)

ちょっと話は戻りますが、Art of Hostingはホスト道(「みち」ではありません。剣道とか柔道とかの「どう」の方です)ともいえます。直訳するとホスティング道です。

2010年に、このホスティング道と出会い。修行を重ねるなか、クリスの存在を知りました。ネットで、役に立ちそうなリソースを探して検索すると、彼の名前がいっぱい出てきます。

ちなみに彼は、「対話型組織開発」の第13章の著者でもあります。またラリー・ドレスラーの「プロフェッショナル・ファシリテーター」の中にも出てきます。

またオープン・スペース・テクノロジー(OST)といえば、この人。というくらいOSTの達人でもあります。

そんな彼が中心となって開催しているAoHって一体どんなんだろう? 

彼は一体どんな人なんだろう?

彼に、変化を生み出す対話のやり方を聞いてみたい!

そんな思いと好奇心に突き動かされての参加でした。

(2)へ続く。

バンクーバーで、アートオブホスティング(1)

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