Love Letter to the Earth

バレンタイン・デーに寄せて

デヴィッド・スズキ氏の2016年のバレンタインデー
記念講演の手書き原稿の一部

バレンタイン・デーが来る頃になると、いつも思い出す出来事がある。

初めてオーストラリアに留学し

海洋生物学を学びはじめた頃に、

生物学の教科書で出会った私のヒーロー。

著名な遺伝学者で、

世界的な環境活動家デヴィッド・スズキ。

教科書越しに出会ってほぼ20年後、

2016年のバレンタイン・デーに、

彼の通訳をするご縁をいただいた。

彼の情熱と信念、暖かく気さくな人柄に触れ、

彼のレガシーをできるだけ多くの人に届けたいと思った。

彼の自然への思い、

地球に共に生きる生命たちへの思い、

人間と自然がふたたび絆を取り戻すことで生まれる、

サステナブルな社会への思い。

あの頃からすでに4年が過ぎようとしているけど、

彼のメッセージは色褪せるどころか、

ますますその大切さを増している。

彼の伝える世界観、

彼のメッセージがますます必要とされているのを感じる。

あっという間にずいぶん月日も経ってしまったけれど、

あの時の自分との約束をやっと果たせる。

以下はいただいた手書き原稿のPDFを元に、

講演を翻訳したもの。

どうか沢山の人のところに彼のメッセージが届きますように。

私たち自身のために、

私たちの子ども達のために、

同じ地球を生きるすべての生きもの達のために、

母なる地球のために。

その時の映像を偶然にも昨日、

YouTubeで見つけたので、

ここにシェアしています。


Love Letter to the Earth 

~ 君は地球だ~

David Suzuki 

On St Valentine’s Day 2016

日本を訪れて古い友人や新しい友人と出会えることを、

いつも嬉しく思っています。

特にバレンタイン・デーという、

愛とロマンスを祝う日に、

ここにいられることを幸せに思います。

私たちは、自分の両親、子ども、友人を愛しています。

でも私たちに、

健康や幸福、健やかで幸せであるために

必要なすべてをもたらしてくれる、

最も偉大な愛は忘れてしまいがちです。

私が言っているのは、

もちろん私たちの母、

母なる地球のことです。

そして、私の講演は

彼女への愛から生まれたものです。

母なる地球というと人は、

この惑星をロマンチックに

そう呼んでいると思いがちです。

ですが、世界中の先住民族の人々が

母なる地球というときは、

詩的あるいは比喩的にそう言っているのではなく、

物理的事実として言っています。

私たちの生みの母のように、

生物圏−すべての生命が息づく大気、水、そして土壌の層−は、

私たちを育み生み出したのです。

私たちのからだは、

私たちの食べものから得られる、

分子や原子から作られています。

そして私たちの食べものは、

あらゆる部分が一度は生きていたのです

私たちは植物や動物を食べ、

それらを物理的にも化学的にもバラバラにし、

細胞、組織、臓器へと再び組み立てなおすのです。

私たちの細胞は水で満たされており、

水はすべての代謝反応が起こることを可能にし、

ホルモンや物質が、

細胞同士や細胞内でやり取りされるのを助けます。

植物は太陽光から光子を捕まえ、

化学物質のなかに蓄えます。

私たちは、

植物や植物を食べる動物を食べることで、

それを得るのです。

私たちは必要とする化学エネルギーを蓄え、

そうした化学物質を燃焼し、

太陽のエネルギーを再び外へと放出します。

そしてエネルギーを生み出す化学物質を燃焼させるのは、

私たちが大気を吸い込むことで得られる酸素なのです。

これらが、

世界中の先住民族の人々が聖なる四元素として讃える、

火、土、水、大気(風)なのです。

母なる地球にともに生きる、

私たち以外のすべての

植物、動物、微生物を讃えましょう。

なぜなら聖なる四元素は、

彼らによって与えられるからです。

陸上と水中の植物たちは

二酸化炭素を吸い込み、

酸素を吐き出してくれます。

植物が誕生するまで、

大気には酸素がありませんでした。

もちろん植物は、

光合成をして太陽光をつかまえてくれます。

樹木やその他の植物の根、

土壌中の菌やバクテリアは、

水が土壌に浸透するときに濾過し、

私たちにきれいな飲み水を与えてくれます。

そして生きものは、

私たちのからだを作る食べものとなります。

生きものはまた、

私たちの食べもののほとんどを

育てる土壌を作ります。

マット・デイモンの

「オデッセイ」という映画を見たことがありますか?

彼が火星に取り残され、

食べものを育てなくてはならなくなるのです。

でも、土がない。

あるのは、たくさんの塵、砂、砂利。

生命がいないと土ができないのです。

なのでジャガイモを植えるために

砂に掘った穴に、

ウンチを加えなくてはならなかったのです。

だからバレンタイン・デーを祝って、

他の生きものたちに愛を伝えましょう。

なぜなら、私たちは

彼らなしでは、

生きていくことができないからです。

そして彼らを愛する理由は、まだあります。

彼らは、私たちの親戚なのです!!

ペットのイヌやネコ、

鷲やサケ、スギやヒノキの樹木たち、

にんじんも、

私たちと同じ遺伝子を

何千と持っています。

すべての生命は、

進化と通じて

私たちとつながっているのです。

さあ、愛すべき生きものたちを想い、

母なる地球に、

土と空気、

火と水を

与えてくれたことを感謝しましょう。

私たちの親戚であり、

寛大にもきれいな空気、

きれいな水、

きれいなエネルギー、そして

きれいな土を与えてくれる、

その他すべての生きものを讃えましょう。

もし私たちが、

他の生きものを愛さないとしたら、

彼らを資源、害虫、害獣、厄介もの

あるいは脅威とみなし、

搾取するか、破壊することでしょう。

私たちは生きるために、

健やかであるために、

空気、水、土、そして光合成に頼っているのに、

どうして有害な廃棄物をそこに捨てたり

街や、ダム、農場を作るために

他の生きものの生息する場所

生態系全体を破壊したりできるのでしょう?

だからこのバレンタイン・デー、

そして毎年それが来るたびに、

髪を撫でる風を感じ、

その心地よさにひたりましょう

顔にかかる雨を感じ、

歓びを感じましょう

カラダを暖める太陽を感じ、

そのありがたみを感じましょう。

体に栄養を巡らせ

食事という儀式を通して

私たちを一つにしてくれることに感謝しながら、

私たちの親戚を食べましょう。

私は宗教を信じる人間ではありませんが、

教皇フランシスコによる回勅「ラウダート・シ」には

とても感謝しています。

それは、私たちがお互いのつながり、

とのつながりには目を向けているのに、

自然とのつながりを忘れていて、

そのことで環境破壊していることを指摘しています。

世界の先住民族の人々は、

母なる地球のことをかた時も忘れたことがないのに、

私たちはなぜ忘れてしまったのでしょう?

五百年以上前に大航海時代がはじまり、

人々が先住民族の人々が暮らしていた

新大陸にやってきました。

アフリカ、オーストラリア、

北アメリカ、南アメリカ、あらゆるところに。

この新しくやって来た人々は、

資源チャンスを求めてやって来たのでした。

この新参者たちには

先住民族の人々に対する敬意がなかったため、

彼らから何も学ばず

その代わりに彼らを皆殺しにしました。

新参者たちは、

そこに棲みつき植民地化しましたが、

その新しい土地には子ども達の

祖父母や長老たちがいなかったため、

新しい場所にルーツがありませんでした。

同じことは続いています。

私の祖父母は、貧しく教育もありませんでした。

カナダは、

一生懸命働けば

チャンスに恵まれるところだと

聞いたのです。

そうして、1904年と1906年にかけて

カナダにやって来ました。

私の母の両親は、熊本から、

父の両親は、愛知からです。

私の父は1909年、

母は1911年にバンクーバーで生まれました。

死ぬまでカナダで暮らしましたが、

日本について教えてくれる

祖父母も長老たちもいませんでした。

彼らが自分たちの両親から学んだのは、

働いて、金を稼ぎ、土地を買うこと

そこに樹木魚、養分豊富な土、鉱物があれば、

売ってお金にすること。

私の両親は、

日本にもカナダにも

根付いていませんでしたが、

先住民族の人々は、

何千年とその土地に暮らしてきたのです。

この百年ほどの間、

さらに大きな変化がありました。

それまでの10、000年は、

ほとんどの人々は大地で農民として働いてきました。

そして農民は知っています。

冬の雪は、夏の土の湿り気になり、

昆虫は受粉のために必要であることを。

私たちが、

天気や気候に左右されているということを。

農民は、

自分たちが自然の一部であり、

依存していると知っていました。

でも私たちは

都市部での大きな変化を

目の当たりにしています。

屋外に出ることなく

何日も過ごせてしまう

人間の創りだした世界へと。

私の母と父は1930年代の大恐慌を生き抜きました。

大変な時代だったからこそ、

彼らは思いました。

身の丈にあった暮らしをすること。

明日のためにお金を貯めること。

欲張らず、分かち合うこと。

生活で必要なものを買うための

お金を稼ぐために一生懸命に働くこと。

でもお金によって、

より良い人間、より重要な人間

なるわけではないということ。

でも私たちは、必要なものではなく

欲しいものを買うという、

消費に依存した経済システムを

作ってしまいました。

そして私たちの欲しいものには、

際限がありません。

私たちが利用するために買うもの

 −食べもの、服、おもちゃ、コンピューター、自動車− 

すべては母なる地球からやって来ます。

そして私たちは、

それらがいらなくなると、

廃棄物ゴミとして、

母なる地球に投げ返すのです。

自然はそんなやり方をしません。

ゾウがウンチをすれば、

廃棄物ではなく、

チャンスになるのです。

菌やバクテリア、

昆虫が飛びつき

「やった、お昼ごはんだ」というのです。

自然界では、永久にものが循環します。

木が倒れれば、

そこに昆虫が棲みつき、

鳥や哺乳類が巣をつくり、

昆虫を食べます。

菌、きのこ、

木の赤ちゃんがそこに育ちます。

その死んだ木は何百年もの間、

生命を支えます。

私たちはそれを子守の木

(nurse log、辞書では倒木更新)と呼びます。

私が住む州で、

私たちはサケの養殖場に反対をしています。

なぜなら、

1)養殖されているサケのほとんどは

アトランティック・サーモンだからです。

なぜ5種類ものパシフィック・サーモンがいるのに、

外来種を持ち込むのでしょう? 

いまや、何千という

アトランティック・サーモンが逃げ出し、

繁殖しています。

彼らは(その土地にもともといるサケより)

ずっと強いのです。

2) サケは、生簀で育てられるため

が海底に落ちていきます。

私たちは、

陸上もしくは固い容器で

サケを育てる必要があります。

なぜなら海をゴミ箱に、

すべきではないからです。

3) サケは肉食です。

魚を食べる必要があるのです。

陸で、ライオントラといった

肉食獣を食用に育てることはしないですよね。

もしどうしても

肉食獣を食用に育てたいなら、

昆虫を餌として

与えたらいいのではないでしょうか?

サケは海に出るまでは、昆虫を食べています。

なので、私たちは

魚やニワトリのエサとして

虫を育てる会社を始めました。

私たちは、

カナダに生息し生ゴミや植物、

肉を食べるアメリカミズアブを発見した(訳注1)

科学者を雇いました。

いまや廃棄された

肉や野菜を引き取るのために

バンクーバー市からお金を得ています。

生ゴミの80%は水分なので、蒸発します。

昆虫が食べて出すものは、

肥料として農家や漁業者に売っています。

そこで虫は、魚やニワトリのエサになるのです。

私自身も

それを食べてみたことがありますが、

美味しいです。

現在、私たちは

処分場行きとなっていたかもしれない生ゴミを

一日数百トン使っています。

すべての自治体が、

食品廃棄物で虫を育てればいいのです。

バイオミミクリーですが、

森の上空を飛行して下を眺めると、

すべての木が空を向いて

太陽光と雨を得ようと

しているのがわかります。

街の上を飛ぶと、

平らな屋根、道路、車が見えます。

なぜ私たちは、森を真似して

ビルの屋上や、壁、道路、歩道、車、衣服に、

太陽光受信装置をつけないのでしょう?

そこにこそ本当のチャンスがあります。

私たちは、

自分の母親に接するようには、

母なる地球に接していません。

私たちの母親を愛しましょう

そうすれば、私たちの面倒をみてくれるのです。

(翻訳は、原稿を基にしているため、実際の講演とは一部異なっています。)

訳注1:日本でもアメリカミズアブの幼虫を使った食品廃棄物処理と養殖魚の餌としての活用の研究がなされているようです。http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/_files/00078269/h2901-2.pdf


そして最後に…

このラブレターを読んで、地球のために、自分たち自身のために行動したいと思われた方へ

ただいま「ゼロから3ヶ月で、組織・コミュニティの包括的なSDGs達成を後押しできる自分になる」プログラム【25名限定募集、2020年4月1日開講】の無料体験を2020年3月20日までの期間限定で行なっています。

プログラムは、参加者の目標達成をサポートする個人向けコーチング、参加者で作るオンライングループでのサポート、5日間の参加型のスクーリングでなるものです。

プログラムを通して、最短最速で「ゼロから3ヶ月で、組織・コミュニティの包括的なSDGs達成を後押しできる自分になる」という目標の達成を全面的にサポートします。

今回、無料で体験頂けるのは、プログラムのうちの個人コーチングのセッションです。

所要:約3時間

通常価格:\15,000 → 無料

期間:2020年3月20日まで

なお、無料体験セッションは本プログラム【25名限定募集】が定員に達した時点で、予告なく終了させて頂くことがあります。

プログラムパンフレット・ダウンロード:

https://we.tl/t-oEeVEyCsAw

体験プログラムのご予約はこちらからどうぞ。

予約する
Love Letter to the Earth

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です